BantにDelver入れることは以前から何度も試してたんだが、いずれもしっくり来なくて解体するのが常だった。
ちょっと備忘録がてら、組むに際してのポイントをまとめて、再度チャレンジする際の材料にしたいと思う。
以下は過去の電波集。
何年も前からBantでDelver使おうとしては、度々失敗してるという悲しさ。
まあ、無理矢理に緑頂点を突っ込みたがるオレが悪いんだが。

http://4survival.diarynote.jp/201112291729282249/
http://4survival.diarynote.jp/201204051243174637/
http://4survival.diarynote.jp/201210011226296095/
http://4survival.diarynote.jp/201302281043186432/


まず、Delverはとても優秀なクリーチャーで、大会に行けば必ず数名は使ってる。
使用されるデッキとしては幾つかがあるが、メジャーなのは前3者だろう。

 ○RUG: 言わずとしれた旧カナスレ
 ○Team America: Sinkhole型よりもHymn型が主流
 ○Patriot: 稲妻とStPの8除去の恐さ
 ・Grixis: 定番レシピはなく、発展途上
 ・Esper: 定番レシピはなく、発展途上
 ・UW: テンポ系には珍しく2色タイプ
 ・UR: 非テンポでBurnの一種


メジャータイプに限って言えば、基本色の青の他、赤絡みと緑絡みが2つずつ、黒絡みと白絡みが1つずつ。
全体で見れば、赤:4 緑:2 白:3 黒:3といったところ。
それぞれタッチすることの主なメリットを書き出してみた。

 ・赤:紅蓮術士、除去とダメージソースを兼ねる火力、TNNやコンボ対策のREB
 ・緑:マングースやタルモ等の優秀なクロックの追加、知恵でのドロー操作
 ・黒:死儀礼や墓忍び等の優秀なクロックの追加、囲いやHymn等のハンデス
 ・白:盤面の制圧力の高い石鍛冶パッケージ、StP/PtEの1マナ除去
 ・多色:衰微、各種魔除け


色をタッチするということは、デッキの足りない部分を補うということ。
そして、デッキの軸であるDelverに対するサポートを投入するということ。
それをDelverの弱い部分と絡めて、どの色がDelverにどう作用するかを考えてみる。

 -DelverだけではKillターンとしてプレイ込み最低8ターン必要
  ・直接火力によるKillターンの短縮⇒赤
  ・後続クロックの用意⇒全色
 -反転するためにはスペルが必要
  ・デッキ中のスペル密度の考慮⇒青
  ・ドロー操作による意図的な反転⇒青
 -除去耐性の無さ
  ・相手の除去に対する妨害⇒青/黒
  ・後続クロックの用意⇒全色
 -Delver以上のP/Tを持つクロックとダメージレースが出来ない
  ・直接火力による不足ダメージの補填:赤
  ・後続クロックの用意⇒全色
  ・相手のクロックの除去⇒赤/黒/白


こうして見ると、やはりデッキの軸である青の重要性が良くわかる。
そして、火力によるKillターンの短縮という他の色に出来ない唯一の役割を持っている赤も目立つ。
ぶっちゃけ、それ以外の色については、Delverをサポートするためにどうしてもその色でないと出来ないことは特に無く、他の色でもそれなりに代用することが出来そうだ。
ただ、問題となるのはやはり「相手のクロックの除去」という部分で、ここはどうしてもこの3色に頼らざるを得ない。
結果、Delver入りのデッキはどうしても赤/黒/白のいずれかを必ず取る必要が出てくるわけだ。


ってことで、本題に戻ってBantの話。
Bantは、直接火力以外のDelverをサポートする条件を全て備えている。
直接火力についても、いささか例外的ではあるが心霊破もあるっちゃあるし、実際使ってて悪いカードではなかった。
Vapor Snagも嫌いじゃないが、ちとアド損の要素が強くて個人的には好きになれず。
そんなBantで組むとしたら、デッキはどのようなバランスになるだろうか。

 -クロック:10-14
  ・Delver 4
  他 6-10
 -スペル:26-32
  ・BS 4
  ・思案 4
  ・Daze 3-4
  ・Will 4
  ・除去 5-8
  他
 -土地:18-20
  ・フェッチ 6-
  ・不毛 0-4
  他


普通のテンポデッキを元に考えると、大体こんな感じ。
ここから何入れるかでデッキとしての特徴が出てくるが、その前にまずはコンセプト決め。
ダメージ特化のビートダウン重視にするのか、Mana Denialを絡めたテンポデッキにするのか、それとも盤面重視のコントロール寄りにするのか。
ってことで、一つサンプルとして前者のビートダウン重視な純正UWのDelver-Bladeを紹介してみる。

GP Atlanta 2012 - Top4
クリーチャー (14)
4 秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets
4 石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic
4 聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft
2 瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage

エンチャント・アーティファクト (3)
1 梅澤の十手/Umezawa’s Jitte
1 饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine
1 殴打頭蓋/Batterskull

インスタント・ソーサリー (24)
4 渦まく知識/Brainstorm
4 思案/Ponder
4 蒸気の絡みつき/Vapor Snag
4 目くらまし/Daze
4 Force of Will
4 流刑への道/Path to Exile

土地 (19)
4 溢れかえる岸辺/Flooded Strand
4 霧深い雨林/Misty Rainforest
4 Tundra
2氷河の城砦/Glacial Fortress
3 島/Island
1 平地/Plains
1 Karakas


2012年ってことで古めのレシピだが、テンポ戦略を完全に捨て去って相手のライフ削ることを考えるなら、こういうデッキもアリだと思う。
そのため、除去としてダメージレースに向かないStPは採用せず、ディスシナジーな不毛やもみ消しは諦めてPtEを採用し、更にアド損覚悟でのSnagの採用。
ただし、そのアド損は石鍛冶や瞬唱で補填するというプラン。
特にポイントとなるのが石鍛冶だろう。
石鍛冶は盤面に対する影響力が強い反面、テンポロスというデメリットがある。
それはつまり、Mana Denial戦略と噛み合わないということだ。
さっさと殴り殺したいのに、2ターンかけて殴打頭蓋出すのは悠長と言う他ない。
そのため、PatriotなんかだとあえてStifle入れずにピアスで石鍛冶やDelver守って盤面で勝つように作られている。
このUWだと、Pierceの代わりに瞬唱やトラフト等のクロックになってるけどね。

それを踏まえた上でBantで組むとしたら、やはり石鍛冶の有無でコンセプトがかなり変わると思う。
ってことで、石鍛冶有りと無しの2パターンで叩き台を作ってみよう。

まず、石鍛冶無しのタイプ。
白入れるメリットは何かと色々考えた末、差別化と言う意味ではやはりトラフトが挙がった。
上記のUWと同様、ライフ削ることだけを考えた形にしようと思った結果、出来上がったのはこんなレシピ。
緑を入れるメリットとして、タルモ/知恵/うろ穴の3種を提案してみる。

クリーチャー (14)
4 秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets
4 タルモゴイフ/Tarmogoyf
4 聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft
2 瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage

エンチャント・アーティファクト (1)
1 森の知恵/Sylvan Library

インスタント・ソーサリー (26)
2 ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe
4 渦まく知識/Brainstorm
4 思案/Ponder
4 蒸気の絡みつき/Vapor Snag
4 目くらまし/Daze
4 Force of Will
4 流刑への道/Path to Exile

土地 (19)
4 霧深い雨林/Misty Rainforest
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
2 溢れかえる岸辺/Flooded Strand
2 Tundra
3 Tropical Island
1 Savannah
1 Karakas
2 ヤヴィマヤのうろ穴/Yavimaya Hollow



んで、こっちはテンポを意識した形。
正直、Absentの使用経験はそう多くないので割と机上論だが、イメージ的にはBUGの衰微のように使えればと思っている。
加えて、Mana Denial戦略と絡めて、Absentでバウンスして相手のドローを止めつつ土地を割って再プレイできないようにする、という動きがアリだと思った。
そのため、KotR/もみ消し/不毛は全投入。
StPは出来れば入れたくないけれど、どうしても除去しないといけないクリーチャーに対しては効果的なこと、KotRが不毛ハメで大きくなって打点稼げる見込みで採用した。
ちなみに、デッキ的に明らかに衰微に弱くなってるので、KotRをトラフトにするのも一手か。
トラフト+もみ消しのシナジーもあるしね。
そうした場合、緑が知恵とタルモだけになって寂しい限りだが。

クリーチャー (12)
4 秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets
4 タルモゴイフ/Tarmogoyf
4 聖遺の騎士/Knight of the Reliquary

エンチャント・アーティファクト (1)
1 森の知恵/Sylvan Library

インスタント・ソーサリー (27)
4 渦まく知識/Brainstorm
4 思案/Ponder
4 もみ消し/Stifle
4 目くらまし/Daze
4 Force of Will
3 剣を鍬に/Swords to Plowshares
4 予期せぬ不在/Unexpectedly Absent

土地 (20)
4 霧深い雨林/Misty Rainforest
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
2 溢れかえる岸辺/Flooded Strand
2 Tropical Island
3 Tundra
1 Savannah
4 不毛の大地/Wasteland



んで、最後に石鍛冶入りのタイプ。
前2者のデッキはまだ見れる内容だけれど、こやつはかなり電波と言われてもしゃーない形に・・・
ぶっちゃけ、石鍛冶入れるとそれだけでクロック枠とスペル枠が厳しくなり、緑のカードの入る余地が減る。
かと言って、タルモのためだけに緑タッチするのもどうよ、と考えた結果、巨森の蔦を入れることを思いついた。
カウンターと違って相手のHymnやリリアナを打ち消すことは出来ないが衰微からも確実にクロックを守り、最後は稲妻のようにエンドカードとなり得る。
試しに一人回してみると、蔦を構えられれば非常に安心して殴りに行けたし、Delver/TNNの8枚でブロックされずに最後を〆ることも珍しくない。
おまけに、Delverで蔦がめくれると、相手が嫌な顔してくれること請け合い。
ただ、石鍛冶やタルモを蔦構えた上でプレイしようとするとどうしても3マナ必要になるので、そこは割り切ってDazeやWillに任せてプレイするのが良いとは思う。
除去についても、やはりStPによるライフゲインを嫌ってPtEにしたが、火力と共存できているPatriotのようにStPで運用することも、もしかしたら可能かもしれない。

クリーチャー (14)
4 秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets
3 石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic
3 タルモゴイフ/Tarmogoyf
4 真の名の宿敵/True-Name Nemesis

エンチャント・アーティファクト (2)
1 梅澤の十手/Umezawa’s Jitte
1 殴打頭蓋/Batterskull

インスタント・ソーサリー (25)
4 渦まく知識/Brainstorm
4 思案/Ponder
4 目くらまし/Daze
4 Force of Will
4 巨森の蔦/Vines of Vastwood
4 流刑への道/Path to Exile
1 四肢切断/Dismember

土地 (19)
4 霧深い雨林/Misty Rainforest
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
1 溢れかえる岸辺/Flooded Strand
4 Tropical Island
2 Tundra
1 Savannah
1 森/Forest
1 島/Island
1 Karakas



って感じで色々と述べてみたが、やはり緑と白を入れることのメリットをどう出すかが非常に悩ましい。
一番の問題は、緑にDelver向きのスペルが決定的に不足していることだ。
Delverデッキはその性質上スペルを多く取る必要があるが、緑はやはりパーマネントに目が行く。
BUGなんかだと衰微や脈動が使えるし、緑の意味が十分あるけれどね。
いっそのこと、土地譲渡でスペル密度上げたろかと思わんでも無かったが、相手に手札見せるデメリットがあまりに大きいのでさすがに止めた。
あと入れるとしたら、不毛との相性も良いロームかなぁ。
それでも、あまり多くの枚数入るカードではないけれど。
そういうわけで、巨森の蔦は差別化のための苦肉の策ではあるが、グランビルという前例もあるし悪くないとは思う。

ちなみに、オレのトレードマークであるところの緑頂点だが、BantカラーのDelverデッキだと非常に使いにくい。
具体的には、BUGの死儀礼のように1マナの緑のクリーチャーで単独でちゃんと仕事をするものが無い。
強いて言うならマングースもしくはドライアドの闘士だが、火力を持たないBantでは両方とも打点不足なのかしっくり来なかった。
ついでに、今は死儀礼のせいでマングースは大分逆風だというのもある。
他には森を護る者とかのユーティリティもあるが、単独で引いた時の弱さに泣いて解雇。

結局、Bantなら下手なクロック持って来るくらいなら教主の方がマシだ。
なので、どうしてもDelverと緑頂点を共存させたいのなら、緑頂点で教主を持って来るのに違和感が無い形=高マナ域も使える形ってことで、例えばこういうデッキが考えられる。
ぶっちゃけ、Delverは絶対に必要な枠ではなく、その4スロットにTNN/Daze/オーダー/知恵を入れても全然機能するデッキっちゃデッキだが、オーダーに頼らず勝ちに行けるって意味で悪い構成ではなかった。

クリーチャー (17)
4 貴族の教主/Noble Hierarch
4 秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets
4 タルモゴイフ/Tarmogoyf
3 真の名の宿敵/True-Name Nemesis
1 大祖始/Progenitus
1 ドライアドの東屋/Dryad Arbor

インスタント・ソーサリー (25)
3 緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith
3 自然の秩序/Natural Order
4 渦まく知識/Brainstorm
4 思案/Ponder
3 目くらまし/Daze
4 Force of Will
4 剣を鍬に/Swords to Plowshares

土地 (18)
4 霧深い雨林/Misty Rainforest
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
1 溢れかえる岸辺/Flooded Strand
3 Tropical Island
2 Savannah
1 Tundra
1 森/Forest
1 島/Island
1 Karakas



ってことで、差別化に色々と苦労してみたが、正直、緑入れるメリットはタルモと知恵だけ、って言いきるのもアリとは思う。
実際、Patriotだってメインは赤いカードは稲妻しか入ってないんだし。
そうした割り切りの中でデッキを作るのなら、恐らく自分はこういう構成にするかな。
和歌ロックさんのに大分似てるけれど、ほぼUWに寄せてる関係で不毛4積める点、5枚目の除去として四肢切断入れてる点、1マナのアクションが少ないためにピアスを3にしてる点などが差異かな。
差異と言っても、誤差程度かもしれないけれどね。

クリーチャー (14)
4 秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets
3 石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic
3 タルモゴイフ/Tarmogoyf
4 真の名の宿敵/True-Name Nemesis

エンチャント・アーティファクト (3)
1 森の知恵/Sylvan Library
1 梅澤の十手/Umezawa’s Jitte
1 殴打頭蓋/Batterskull

インスタント・ソーサリー (25)
4 渦まく知識/Brainstorm
4 思案/Ponder
3 呪文貫き/Spell Pierce
4 目くらまし/Daze
4 Force of Will
4 剣を鍬に/Swords to Plowshares
1 四肢切断/Dismember

土地 (19)
4 霧深い雨林/Misty Rainforest
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
1 溢れかえる岸辺/Flooded Strand
3 Tundra
2 Tropical Island
1 Savannah
4 不毛の大地/Wasteland

コメント

—
2014年2月8日17:26

> ひ
強そう。
デルバー取ると土地も詰めなきゃいけないからデッキが歪むね…
本当はニューホラみたいに組みたいけど。
バントでできることが青白でもほぼできるのもマイナス。

4sur
2014年2月8日22:38

まさに。
Delver入れると構築が本当難しい。

そして、記事書いた結果、Bantで出来ることは青白でほぼ出来るってのが改めて再確認する結果にしかならなんだ。
それがわかっただけで書いた意味はあるっちゃあるけど。

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索